「未来のための映画会」 2012年8月25日

8月25日、『未来のための映画会』を開催しました。


サブタイトルは
「子どもたちに自然のエネルギーを」

内容は
市民たちで電力会社をつくった映画「シェーナウの想い」を観た後に、放射能の不安が現実となってしまった原発に近い福島県浜通りで、これからの取組みについて話し合うという集まりです。

■日時: 8月25日(土)13:30~16:00
■場所: 南相馬市民情報交流センター 
    マルチメディアホール


約40名の皆さまに参加していただきました。

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プログラム

第一部 上映会 13:3015:00

  「シェーナウの想い」上映 + みんなの想い共有

■ 第二部 勉強会 15:0016:00 

  なっとく再エネ」 + 「市民電力」構想 + トーク


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映画「シェーナウの想い」は、
 ドイツ南部シェーナウ市の市民グループの人たちが、チェルノブイリ事故をきっかけに、「子どもたちに原発のない未来を」という想いから、自分たちで電力会社をつくってしまおうと立ち上がり、「市民の、市民による、市民のための」自然エネルギー電力供給会社を誕生させるまでの実話を描いたドキュメンタリーです。


映画の後に参加者の想いを共有しましたが、主なコメントは


◎ 私たちは原子力災害を現に受けている。そこから立ち上がっていくために、再生可能エネルギーは良いきっかけになる。
◎ 小高区でしばらくの間農地は使えない。将来は農地として活かすことができるなら、ぜひ土地を使ってほしい。
◎ エネルギーの地産地消が当たり前に言えるようになってきた。
◎ エネルギーは復興の一番の材料になると思う。 

また、活動を進めて行こうとするメンバーがその想いを語りました。
◎ 映画を観ると、シェーナウの人たちはすごいことをやってると思うし、
  難しいように感じるかもしれない。
  でも、小さいことからコツコツとやっていけば出来ると思う。
  南相馬でもみんなで力を合せて進めていきたい。

◎ これまで、太田地区で除染をしたり、ヒマワリを植えたり、いろんな

  活動をしてきたが、これからは再生可能エネルギーを活かした
  復興を目指していきたい。南相馬市は脱原発宣言もしているし、なんとか実現していきたい。
◎ 復興住宅に、ソーラーやガスコジェネなどの導入が必要だと思う。県のサポートもあるし、うまく活かしながら進めていきたい。
◎ 太陽光発電として「福島おひさま連合」というのを立ち上げている。南相馬でも、実験プラントをつくって取組みを始めている。
  大企業の計画も進んでいるが、住民たちが一緒になってやっていくことも大切だと思う。
◎ 除染と森林活用の両面から、バイオマス、木質チップの活用が必要だと感じている。
  必ずしも大企業だからノウハウがあるとも限らないので、皆で知恵を出しながら取り組んでいくことが重要だと思う。
◎ 将来のことを考えると、エネルギーに積極的に取り組んでいくことで、子どもたちが誇れる街にしていくことができるのではないか。

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第二部
最初に、再生可能エネルギーの概要紹介を行った後、
南相馬市の取組みの考え方を共有しました。

南相馬市は、復興計画の「新たな産業の創出」として、『再生可能エネルギー』を重要な施策と位置付けている。

全市のエネルギーを再生可能エネルギーで賄う
”自立発電のまち”を目指し、各家庭や企業が積極的に再エネを導入するよう支援制度や意識啓発に努める。

これらの計画は、EDEN計画とも連動している。

【参考】南相馬市 土地利用計画(案) 
 海岸近くで津波被害にあった地域、山間部を中心に再生可能エネルギーゾーンが設定されている
 


また、8月24日には「南相馬市再生可能エネルギービジョン(案)」が公開され、パブリックコメントを募集している。
再生可能エネルギーの導入目標としては、2020年度には 導入比率を 65%に、そして2030年初頭には100%、つまり、南相馬市の電力需要を再生可能エネルギーですべて賄うという案になっている。


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第二部の後半は、会としての提案

私たちは、地震と原発災害からの復興に向けて、みんなが心をひとつにして、
自分たちでエネルギーをつくり出し、街づくりを進めていきたい。



そのために、省エネ、創エネ、に取組みながら、
これからの暮らしのみんなで考えて、一緒に実現していきたい
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会場からのご意見は、

◎ 南相馬市よつば保育園 近藤副園長さん
・子どもたちが暮らせる街であり続けるために、どうしたら良いか、大人たちが皆で考えることが必要だと思う。
・原発に代わるエネルギーがあれば、原発から逃れることができる。
・どういったエネルギーが良いのかを皆で考えながら選んでいく。
・このような方向をこの会で示すことができたら良いと思います。

◎ 福島県企画調整部 エネルギー課 佐々木課長さん
・再生可能エネルギーへの関心は高まっていると感じている。

 まだ何から始めていいのか分からない段階ではあるが、
 各地でなんとかしたいと思っている人たちはたくさんいる。
・そういう人たちが新しいことに挑戦して欲しいと考えている
 まずは小さいことでも良いから、少しずつやっていくことが大切
・県としてはそういう人たちを応援する仕組みもつくっていきます。


◎ 環境エネルギー政策研究所 浦井さん
・外部からの情報や支援のネットワークを紹介できると思うので、それらをぜひ活かしていただきたい
・地域にはいろんな人たちがおられるので、多くの人たちが参加しやすい環境作りがたいせつだと思う。
  ・そのためには、やりたい人だけがやってるということにならないよう、地域の皆さんが入ってきやすいように進めることが重要です。
  ・はじめから固定的な考えで進めるのではなく、南相馬に合った適切なやり方を皆で考えながらやっていくと良い。


◎ 南相馬市民  高橋美加子さん (相双中小企業同友会会長)


・この地域では除染というのが大きな課題だと思いますが、作物をつくりながら、除染ができ、地力がついていくことが理想的です。
・こういうことを皆で取り組むことが地域の活性化に繋がると思う。
 大きなことに挑戦するということとは別に、自らが行動し、実験しながら、進めていくということも必要だと思います。
・除染しながらエネルギーも活かすようなことを、小さな実験をしながら、実行していくという集団が生まれ、広がっていくと良い。
・こんな取組みにこの会がつながっていけたらうれしい。


◎ 他のご意見として
  ・「相双再生可能エネルギー普及協議会」という名前が大きすぎると感じる。
   まずは、南相馬レベルで小さくはじめて、だんだんに広げていくのが良いのではないか。
  ・この会の目的や、どんなことをやろうとしているのかを、もっと具体的に示してもらったほうが良い。

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この地域で、住民が中心になって再生可能エネルギーに取組んでいくというキッカケづくりとしては良いイベントになったと思います。

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