南相馬市でコミュニティバイオガス事業の導入を進めるために、小規模メタン発酵設備の実践例を見学し、そこで得た知見を今後の南相馬での取り組みに活かしたことから、宮城県加美町に伺いました。
◎スケジュール
8:00 南相馬出発
9:45 A.加美町鳴瀬小学校「メタン発酵出前従業」見学
13:00 B.加美町やくらい土産センター「小規模メタン発酵設備」見学
13:30 C.液肥散布実験見学
13:45 木質バイオマスボイラー見学
14:00 加美町発
◎ツアーメンバー
・えこえね南相馬:高橋理事長、杉内理事、奥村理事、中山理事、佐藤事務局、内藤さん
◎加美町対応
・協働まちづくり推進課:小澤係長、千葉主事
・東北大学大学院:多田先生 鳴瀬小学校:及川校長
・アミタ㈱:佐藤社長 南三陸BIO:櫛田所長
A.鳴瀬小学校「メタン発酵出前従業」見学
加美町立鳴瀬小学校6年生の総合学習で「エネルギー」をテーマとした出前授業になります。基礎編を4月28日に実施し、バイオガス事業の理解を深めてもらうために、メタン発酵で生ごみからエネルギーや肥料を作ることができるということを伝えました。今回は4月の復習をした後に、実際に子供たちが家から持ち寄った生ごみを使ってメタン発酵させる実験を行います。
①家庭から持ち寄った生ごみに加水しながら
ミキサーで細かく砕きます。
4~5人程のグループに分かれ、生ごみが混ざる
臭いに気を取られながらも、実験を楽しんでい
ます。
②pHが7.5程度になるように重炭酸ナトリウムを混ぜ調整をし、メタン発酵出来る状態にする。
③種菌の入ったペットボトルに詰めて、温度37℃
程度の恒温槽で温める発酵させる。
④3週間ほど前に仕込んでメタン発酵をさせたガス
を詰めた袋を用意して、ガスに火を付けお湯を沸
かす。
炎が見えにくいですが、4人が各1袋のガスを使い
切るころにはお湯が沸きました。
多田先生から、上手にメタン発酵させるには、人の体温36℃より若干高く39℃、40℃ぐらいで発酵させること。pH6.9~7.5ぐらい(中性からアルカリ性の範囲で)など、事前に実験のポイントを纏めた説明がありました。
この後は学校菜園に場所を移し、メタン発酵後にできる消化液(液肥)をじょうろを使い植物の根元に撒きます。広々とした芝の校庭の一角にある菜園では、秋には野菜が沢山実りそうです。
身近にある生ゴミから、メタン発酵を利用して熱エネルギーを取り出し利用したり、植物の成長に必要な栄養に変える素敵な実験を子供達の目線から見学させていただきました。
今日の授業は、聖火リレーをバイオガスで灯す活動の一環としてNHKが取材をしていました。 放映は7月23日の予定です。
B.やくらい土産(どさん)センター
「超小型発酵設備」見学
加美町のやくらい土産センターには、小規模メタン発酵システムの設置があり、バイオガス技術の普及啓発活動が行われています。
このシステムに投入されるのは、施設内の食堂や販売所から出る日量12kg程の野菜くずや生ごみです。野菜くずなどは土産センターで働く「さんちゃん会」の皆さんで細かく裁断されてから投入されます。
メタン菌の働きで発酵させる発酵槽では、菌の働きを促すために加温の工夫が施されています。その一つは、上部にある太陽熱温水器です。他には、槽の周囲を断熱材で覆っていますが、冬の間は更に工夫が必要の様です。また、槽内のpHは7.0を保つように心がけています。
できたメタンガスは、黒いバルーン型のガスホルダーに貯めています。このガスを利用して、見学者にお茶を沸かす計画です。今日は実際にガスをバーナーに送って点火までを見学しました。工程からできる消化液は消化液槽に蓄えられて液肥として活用されます。
見学した全長8mからなるこのシステムでは、残り物12kg/日から、バイオガス1300ℓ/日、液肥5ℓ/日のエネルギーをつくり出しています。ここでは、加美町の地域資源を活用しできるエネルギー利用モデルを見学しながら、啓発活動の様子を伺いました。
C.夏大根圃場へ液肥散布見学
やくらい土産センター近くの農地では、メタン発酵液肥を夏大根の圃場に撒き栽培する試験が行われていました。散布車を使って1反当り5tの液肥が撒かれます。
実施中のイベントは
ございません
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